農業株ファンドと日本の食糧自給率

jikyuuritsu.JPG英国の代表的なファンド運用会社の一社であるシュローダーから販売されている農業ファンドが販売中止となりました。と、言っても悪い知らせではありません。大人気でお金が集まり過ぎたのです。販売開始して2年足らずで540億ドルを集めました。しかも先月単月で20億ドルです。ファンドサイズが大き過ぎれば重たくなりますから良いパーフォーマンスを出すのが難しくなります。バイオエタノールの原材料としてのトウモロコシの値上がりや小麦の値上がりなどを受けその一例として日本でも近いうちにラーメン1000円時代がやって来ます。日本の食糧自給率は40%を割り込み僅か39%と欧米先進国と比べても大変に低く、何とか考えなければなりません。中国製の農薬入り餃子が騒がれましたが直ぐに輸入を中止する事も叶いません。人口層の厚い途上国が台頭し豊かになってきましたから将来の食糧不足は深刻な問題です。Schroderの農業ファンドが好調なのを受け中小のヘッジファンド会社が農業ファンドを発行し、Castlestone社では今年の1月単月で4.74%、2月7.44%の利益と好調な滑り出しです。2,3年前にHSBC運用のBRIC’s(ブラジル、ロシア、インド、中国を指す)ファンドが販売中止になりました。この時もお金が集まり過ぎたのが原因です。Thames Riverの東欧ファンドも2,3年前に販売中止となりましたが期間限定で現在募集中です。ロシアの実質的な政権がプーチンなら今暫く面白いかもしれません。近く販売中止になるのはオルタナティブファンドで知る人ぞ知るMan AHL Diversified plc. というヘッジファンドです。これは株式市場と非相関関係にあるファンドですのでリスク分散と絶対利益追求目的で、本年2月25日のデータでは年次平均利回り19.5%、設定(1996年3月)来累積725%とポートフォリオに組み込みたいアイテムです。これまでのAHLはダブリン籍でしたが続編が英チャンネル諸島のガーンジー籍で近日中に発表予定です。一時日本では飽和状態にあったMan社代理店も大分淘汰された様です。私の知る限りでは元本保証のスキームはマン社が最初に開発しました。全ての元本保証商品のコアはAHLが組み込まれての運用となります。現在募集中のマン社・元本保証ファンドは米ドル建と豪ドル建があります。ご承知の通り米ドルは金利が下がりましたので満期が長くなりました。株式や債券のみで運用する伝統的な手法のファンドでは今回のサブプライム問題の様に世界中の株価が下がった時に手をこまねいて見ているだけしか出来ません。ヘッジファンドの言葉尻だけを捉えて危ないという食わず嫌いを直さないと安定した運用は出来ないと思うのです。値上がりしたのを見てバスに飛び乗るのではなく地球規模で先を読むセンスを磨きましょう。

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