AIGの凋落

高い信用格付けを誇る世界最大の保険会社が何故このような窮地に陥ったのか不思議に思う人は少なくないのではないでしょうか?今のAIGの混乱の原因は中核となる保険事業とは異なる多角化事業でした。AIGFP(AIG Financial Products)はAIGの高い格付けをバックに膨大なデリバティブ取引を行っていたのです。AIGFPは1990年代に急拡大し、CDOという企業のデフォルト(債務不履行)に保険を掛ける商品や住宅ローン、消費者金融に手を広げていったのです。これらの多角化事業はその後長きに亘り大きな収益を上げて来ました。CDOと呼ばれる債務担保証券に保険を掛ける事業の取引こそが過去数ヶ月で410億ドルもの評価損計上に追い込まれた最大の要因でした。これを国が救済しないと世界の金融が消費者が大きなダメージを受ける事になるのです。850億ドルをNew York連邦準備銀行より借入しました。AIGは最近までCDOのデフォルトに対する保険商品が損失を産むリスクは極めて低いと考えていました。サブプライムローン破綻から金融機関が破綻し、成す術も無く世界の王者は奈落の底に落ちて行きました。利益追求する余り多角化をし、それが裏目に出てしまったのです。企業はやはり本業に精を出すべきだという教訓になってしまいました。

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