巨額詐欺事件(NY)

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【ニューヨーク14日時事】巨額詐欺で訴追された米証券界の実力者、バーナード・マードフ容疑者が運用する金融商品を、野村ホールディングスが投資家に販売していたことが分かった。野村は、関連するエクスポージャー(リスク資産)は275億円相当あるが、自己資本に比べその影響は「限定的」と説明している。
 野村は、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題で巨額の評価損を計上したばかり。詐欺事件でも損失を計上する可能性が出てきたことで、同社の運用管理体制が改めて問われる可能性がありそうだ。
 元ナスダック・ストック・マーケットの会長だったマードフ容疑者は、運用で発生した巨額損失を投資家から集めた資金でひそかに穴埋めし、500億ドル(約4兆5000億円)を超える損失を与えた疑いが持たれており、11日に起訴された。被害総額は詐欺事件としては米史上最大とみられている。                                          

Bloomberg.comにも詳細記事が掲載されています。

Dec. 12 (Bloomberg) — European firms Union Bancaire Privee, Bramdean Alternatives Ltd. and Pioneer Alternative Investments were clients of funds invested with Bernard Madoff, who allegedly confessed to running “a giant Ponzi scheme.”

12月16日日経新聞朝刊によりますと、米ナスダック株式市場の元会長、バーナード・マドフ容疑者が関与していたとされるヘッジファンド詐欺事件の被害が広がっています。欧州の大手金融機関のほか、日本の野村ホールディングスや韓国の生命保険も損失を被る可能性が出て来ました。スペイン最大手銀行サンタデールや仏大手銀行BNPパリバ、英国大手銀行HSBC、RBS(Royal Bank of Scotland)、仏ナティクシス、伊ウニクレディト、スペインのNNVAの他、英大手ヘッジファンド会社のマン・グループも投資していたと報道されています。

この詐欺事件は「ねずみ講」に似ているそうです。運用らしい運用もしていなく、新しい投資家から資金を募り配当に回していたそうです。日本にも似たような海外ファンドがあった様ですが私の知る限り、豪かなオフィスと接待、大手銀行出身など輝かしい経歴の代表者でした。騙す方も騙す方ですが騙される方もどうなのでしょう。マスコミはマードフ氏の知名度が資金集めに貢献したと報じています。名前があると楽なビジネスが出来るのかと羨ましくも思えます。日本でも野村H以外にも日本興亜損保、三井住友海上など生損保数社が投資ファンドを通じて残高があると報じています。金融市場が正常に機能していれば埋もれていて発覚しなかったのかもしれませんが危機を迎えて隠しきれなくなったのでしょう。「プロならちゃんと調べてよ」と言いたいところです。