用語解説一覧

今更聞けない資産運用、海外投資関連の用語を一覧にしました。

相対取引

取引所を介さずに2者間でおこなわれる取引をいう。店頭取引ともいう。取引所を介する取引と比べて、取引の参加者が少なくなる傾向があり、ビット・オファー・スプレッド(売りと買いの価格差)が生じやすい。

アービトラージュ(裁定取引)

オルタナティブファンドの運用手法のひとつで、ある特定の債券もしくは金利商品を買い、それに対して高い相関関係にある別の商品を売付けるものです。二者間の価格のひずみを利用して利益を獲得しようとするものです。

イベントドリブン

ヘッジファンドの手法である企業の株価に影響を及ぼす可能性が極めて高い状況が発生した場合、またはそのような状況の発生を想定して、対象となる株式を売買し、利益獲得を目指します。

エクスポージャー(Exposure)

それぞれの投資対象に対して割り当てられる運用資金の割合を示す。例)このファンドの株式へのエクスポージャーは30%である。 なお、レバレッジ取引が行われる場合、ファンド全体としてエクスポージャーが100%を超えることがある。

エマージング市場

経済が急成長している発展途上国=新興国の金融市場(株式、債券などの市場)のこと。

オフショア

Offshoreとは読んで字の通り、岸(shore)から離れた(off)という意味で、日本なら200海里離れた洋上で本国の規制を受けない事を指します。世界には経済特区とも呼ばれるオフショア金融センターが数十か所もあり夫々に特色があります。

オプション(Option)

証券や商品などの原資産を将来のある一定期日に一定価格で買う権利または売る権利をいう。買う権利のことをコールオプション、売る権利のことをプットオプションと呼ぶ。デリバティブ(金融派生商品)のひとつ。

オルタナティブファンド

ヘッジファンドと呼ばれる事もある。直訳すると代替投資。株式や債券で運用される伝統的な投資手法と一線を画し、商品や為替、転換社債などの鞘取り(アービトラージュ)をはじめ、マーケットニュトラル、イベントドリブン、グローバルマクロなど投資手法は多岐に亘る。多くは株式とは非相関関係にあるのでリスク分散に有効な投資手法。

オンショア

これはオフショアに対して居住国など通常の規制や税制下を指します。

元本保証ファンド

最初に定められた一定の期間を満期として銀行が元本を保証するファンド。この手の商品の代表的なファンドマネージャーはMan Investment社で今や世界有数のファンドマネージャーとなった。例えば投資資本の50%をCitibankの年率6%の債券を買ったとすると複利で12年後に倍額になるので、其の部分で元本をCitibankが満期保証し、残りを様々なオルタナティブ運用手法で運用する。この場合Citibankが元本保証銀行となる。マン社以外にも様々なファンドマネージャーが異なる運用手法で元本保証ファンドを発行している。最近の金利上昇で満期が短く設定される元本保証ファンドもある。

カストディアン(Custodian)

或いはカストディーなどと呼ばれ、日本語で言うと外部保管会社(信託)。 ヘッジファンドが保有する現金、有価証券などを保管する会社。不正を防止するため、運用会社自らが資産を保管する代わりに、外部保管会社が保管することが望まれる。オフショアの銀行の関連会社が、外部保管会社になる場合が多い。

機関投資家

有価証券(株式や債券など)の運用を本業の一部として行っている法人のこと。生保、損保などの金融機関、事業会社、投資信託などがその代表。

キャッシュフロー

おカネの流れ、現金収支のこと。2000年3月期からは連結キャッシュフロー計算書が導入されるようになった。

キャピタル・ゲイン

値上がり益のこと。株式投資の最大の魅力がこのキャピタル・ゲインの追求にあることはいうまでもない。

グローバルマクロ

ヘッジファンドの運用手法で世界各国のあらゆる金融市場を分析しながら経済全体の変化をとらえつつ投資の機会をうかがう規模の大きなファンドが多く、ジョージ・ソロス率いるファンドがその代表的な例といえます。利益の最適化を念頭にさまざまなデリバティブを駆使し、レバレッジを高い比率で用いる場合もあります。市場でのポジション期間は1ヶ月以下の場合もあれば、1年以上にわたることもあります。

シャープレシオ

リスクに対する利益(余剰利益)の大きさを計る指標です。その数値が大きいほどよいファンドと判断できます。つまり、 リスクとリターンの関係を数値化したもので、客観的な判断を可能にします。

ショート・セリング

ヘッジファンドの運用手法で株式価格がその企業の実態を反映せずに高騰していると判断した場合、対象株式の価格下落を想定して株券を借受けて市場で売却します。想定通り価格が下落した場合は売付けた価格よりできるだけ低い価格で買い戻し、借受けた株券を返却します。買方中心型のファンドがヘッジのためにこのような手法を用いるときがあります。空売り手法と呼ぶ事があります。

タックスヘイブン(Tax Haven)

税金回避地の事。世界中に60か所位あり、オフショア金融センターなどと呼ばれる。非居住者に非課税。税金天国(Tax Heaven)ではない。

ディストレスドセキュリティー

運用手法で再建計画申請済、再建途中、または破産企業に関連した証券を中心に売買を行い利益獲得を目指します。弁済順位が高い証券(リスクが比較的低い)ものから普通株式(リスクが高い)まで様々な関連証券が対象となりえます。不良債権の証券化という言葉を聴いた事があるかと思います。

転換社債(CB)

英語ではConvertible Bond:略してCBと呼ばれ、株式に転換する権利の付いた社債。社債の元本、利息収入の確実性と株式の値上がりによる収益性を兼ね備えた商品です。転換権を行使すると社債が無くなり株式に変り、一旦株式に転換すると社債には戻せません。株が値上がりした場合には一定期間内に請求を行えば株式に転換する事が出来ます。株が値上がりしない場合は社債として保有して利子を受け取る事が可能。

 

トレンド

トレンドとは、上下動しながらも一定方向に向う動きのことをいいます。上昇トレンドは上下動しながらもすう勢的に上昇に向かい、下降トレンドは上下動しながらもすう勢的に下降する動きをします。

ドルコスト平均法

 一定金額で定期的、継続的に株式を購入する方法です。株価が高い時には少ない株数を、株価が安い時には多くの株数を買うことになり、中期的には1株当たりの平均買付単価が安くなる効果が期待できます。売買タイミングの失敗を緩和する投資テクニックのひとつです。エマージングカントリー(発展途上国)ファンドのように騰落率の大きな金融商品の仕込みや長期スタンスの投資に向いています。下の図はTempleton BRIC’s Fundの過去3年間の値動きです。 2008.08.08 Updated

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パーフォーマンス

運用成果、運用成績などのこと。

ハイウオーターマーク

成功報酬を計算するときによく使われる過去最高値の概念。ヘッジファンド・マネージャーは通常成功報酬を課しますが、例えば損失を出した場合、過去最高値を越えるまでは成功報酬は課しません。例えば100万ドル投資した資金が1年後、90万ドルに減っていたとします。2年後に99万ドルとなり、価値が1年後より9万ドル増加しましたが、当初投資額の100万ドルを越えていませんので成功報酬を課すことができません。この場合、100万ドルがハイ・ウォーターマークとなります。

ビッドアンドオファー

Bid & Offerと書きます。ビッド価格が安い方で投資家にとっての売値で、オファー価格が買値になります。ビッドアンドオファーのスプレッド(価格差)が売り手側の手数料収入になります。

ファクトシート(Fact Sheet)

ヘッジファンドやミューチュアルファンド(投資信託)の運用目標、月別の利回り、年換算利回り、標準偏差、投資配分などを簡単にまとめた資料。通常、運用会社から運用報告書として毎月発行される。

ETF(株価指数連動型投資信託)

Exchange Traded Fundsの略。その名の通り、金融商品取引所(Exchange)で取引可能(Traded)な投資信託(Fund)のことです。機関投資家や証券会社から集められた株式の現物出資によって、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数の動きに連動するように運用する上場投資信託です。海外には日本とは比較にならない程沢山の種類があります。

ファンドオブファンズ

運用手法や目標成績が異なる複数のヘッジファンドに資金配分することによりリスクの軽減を図るものです。必然的に投資金額が大きなものになりがちなので、大規模な運用をおこなっている投資家に向いているともいえます。

ファンドマネージャー

ファンドに実際の取引注文を出し運用する人を指す。

ブリックス(BRICs)

新興市場として注目されるブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を指す。

ブルアンドベアー

ブル(雄牛)は上げ相場、ベアー(熊)は下げ相場を指す。ブル相場と言えば上げ基調の相場、ベア相場と言えば下げ相場を言います。どこかの証券取引所前に上相場を象徴する雄牛の銅像があったかと思います。メリルリンチのロゴにも使われています。

ヘッジファンド

別名オルタナティブファンドと呼ばれ通常の投資信託(ミューチュアルファンド/ユニットトラスト)と区別されます。市場トレンドに左右されない絶対的リターンを追及致します。

ポートフォリオ

リスクを分散の為の資産の配分を指す。

ボラティリティー

対象原資産の価格変動の度合いを意味します。また、原資産価格の変動は年率(%)で表示されます。ボラティリティが低いとは対象原資産の価格変動の度合いが小さいことをいい、ボラティリティが高いとは対象原資産の価格変動の度合いが大きいことをいいます。この数値で運用の安定度を測ります。

マーケットニュートラル

オルタナティブファンドの運用手法のひとつで、根底にある理論とは、市場リスクを最小限に抑制することは可能でありそのような売買を最大限試みるべきである、というものです。売りと買いをうまく組み合わせることによって、市場全体の急激な動きによるポートフォリオ全体の損失を最小限に抑制することが試みられますが、現物同士の組み合わせだけでなく、現物とそれに関連したデリバティブ(派生商品)を活用することもあります。

マネージド・フューチャーズ(Managed Futures)

一般的にCTA(商品投資)ファンドを束ねたファンドオブファンズだがシングル・ファンド・マネージャーもある。世界各地の取引所に上場されている先物などを対象に、トレンドをとりにいく戦略。原資産の種別にこだわらず、株式、債券のみならず通貨、商品など幅広く扱うことが多い。テクニカル分析に基づくプログラム売買も含めた、広義のクォンツが多い。レバレッジをかけた大量売買が多く機動的な運用のために、流動性に優れた上場先物を使い、基本的に絶対利益を目指す。株価とは非相関(連動しない)なのでリスク分散効果を狙いこの手法を組み合わせる事がある。

マネーロンダリング

資金洗浄。麻薬取引によって得た不正資金や賄賂、テロ資金などを口座から口座へと移し、資金の出所や受益者を分からなくすること。違法行為で得た汚れた資金が口座を転々とするうちにきれいなカネに洗濯(ロンダリング)されるという意味で使われている。この資金ルートを解明できれば、麻薬取引ルートもつかめ、組織を摘発できる。このため、米国やEUなどの主要国が麻薬資金の取締法の制定に乗り出している。日本では2000年2月、金融監督庁(現金融庁)が「特定金融情報室」(日本版FIU)を設置、「マネーロンダリング天国」の汚名返上に取り組み始め、04年には「ヤミ金」と呼ばれる不法貸金業者による大規模なマネーロンダリングが摘発された。米国は05年9月、中国・マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」が北朝鮮による米ドル札の偽造やマネーロンダリングに関与した疑いがあるとして、同行と米金融機関の取引を中止させた。

マルチストラテジー

リスク抑制のための分散を意図し、例えばアービトラージ、マクロ、イベント・ドリブンなど様々な戦略を組み合わせる投資方法。ファンド・オブ・ファンズはマルチストラテジーの典型的なものです。

レバレッジ

借入れにより投資の分母を増やして投資の効果を増大させる手法のことを指します。マネージャーが借入コスト以上に投資リターンを上げることができると信じる場合にレバレッジ投資を行います。レバレッジ投資は同じ投資額でもリターンを大きくすることができる一方、損失が出た際には損失額も大きくなります。

ロングアンドショート

ショートセリングに対し買い持ちをロングと言う。売りと買いをできるだけ調整し、ポートフォリオ全体に対する市場リスクの抑制を図る運用手法を指す。

IPO

株の新規公開・新規上場のこと。

Initial Public Offeringの略。それまでは創業者など関係者だけが株を保有している状況だったのを、株の保有と流通を一般に公開するということ。まず、主幹事証券と幹事証券数社を決めて、ブックビルディング(需要予測)という形で株の取得希望者を公募で募る。そのような公募・売り出しという過程を経て、東証やジャスダックなどの市場に上場するという手順でIPOは行われる。

NAV

ネットアセットバリューの略でファンドの時価の事。

ROE (Return on Equity)

株式(自己資本)収益率