もうひとつの国際年金

前回お話ししたカリブ海系オフショア金融センター籍の保険会社の国際年金を勉強して来ました。多くのマン島系保険会社の国際年金はミラーファンドと言って独自の料金体系を組み込んだファンドで運用されますが何とこのカリブ海系保険会社のファンド構成はISINコードの付いたオリジナルファンドです。ミラーファンドは0.5%から1.5%位のフィーが殆どですが多いものは年間3.35%もの料金を組み込んで居ますので長い間には大きな運用の差が付きます。F社やH社のミラーファンドに組み込まれているこの最大フィーを組み込んだAファンドは日本でも人気のある商品先物ファンドですが、このAファンドはミラーファンドを買うのではなく直接オフショアで買った方が断然お得です。日本の金融機関から買う海外ファンドも殆どがオリジナルファンドに追加の管理費や手数料が組み込まれています。販売コストが掛かるので仕方ないのかもしれません。株の様にA証券会社からB証券会社に移管する事は出来ず、A社で一旦売却して改めて手数料を払い、B社で購入しなければならない様です。これは各社が違う料金体系を組み込んでいる為と思われます。仮に3%で運用されたとしても24年で倍額ですから複利での運用を考慮すると如何に大きな差であるか想像が付きます。日本ではこのミラーファンドのフィーを説明できるアドバイザーが少ないので助言を受ける際には大切なチェックポイントです。ではこの国際年金の何がデメリットであるかというと、後発であると云う点です。正直言ってこのフィーの違いは私自身ショックでしたし、この保険会社から当分目が離せません。

香港では金融庁の許認可を申請中ですから未だ公開されていません。香港で公開されると東南アジア諸国で騒がしくなる事だと思います。

国際年金

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。

さて、2010年最初の話題は国際年金に関してとなります。F社のPremierは日本で最も知られたオフショアセービングプランですが今年は様々な選択視が誕生します。これまで101%の生命保険が付いて居ましたが、この生命保険の部分が近く撤廃されます。つまり積立ファンド形式となります。もうひとつの英国最大級保険グループRL社のセービングプラン、Quantumがリノベーションされます。Quantumは日本円での掛け金が設定出来、大変便利なのですがファンドの選択肢が限られていました。近くRLグループの広いファンド選択肢が可能となります。こちらのファンドはミラーファンドではなく、ISINコードの付いたオリジナルファンドです。オフショア金融センターとしてマン島を始めとするチャンネル諸島が有名ですが、北米・中南米ではカリブ諸島のオフショア金融センターがポピュラーです。バーミューダー島や英領バージン諸島、ケイマン島などの英領が知られています。ケイマン島にIT社という保険会社があり、国際年金プランがあります。日本語のWEBサイトも充実しています。ファンド選択肢も豊富でISINコードの付いたオリジナルファンドです。良く調べてみると世界最大級の再保険会社のMarsh ManagementがマネージメントしていてカストディーもCredit Swissでしっかりしています。MarshはNewYork証券取引所に上場されており、30000人の従業員と支店が世界中にあります。今週末はこの商品を勉強しに海外出張します。続報をお待ち下さい。

Gold価格上昇中

連日、金価格が上昇しています。円で購入された方は連日の円高の為、金の値上がりした分だけの利益を享受出来て居ないかと思います。下記グラフは1996年3月から2009年10月までの金のドル建て価格推移です。現時点では1 oz. = 1200ドルの市場最高値を付けています。ワールド・ゴールド・カウンシルに依ると今年9月時点の金の保有量はアメリカが8134トンで世界一、ドイツの3408トン、イタリアの2452トンが続きます。中国の金保有量は約1000トンですが、2兆ドル超の外貨準備の運用先として10年以内に約10倍の1万トンに増やす可能性を指摘しています。そうなると金価格は更なる上昇の一途を辿る可能性が高くなります。

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12月1日付けレポート会員サイトにこの金関連投資情報をアップデートしましたのでご覧ください。

エマージング・カントリー投資

今年に入ってからのエマージングカントリーの回復が目覚ましいので、乗り遅れた方は「シマッタ!」と舌打ちされているのではないでしょうか。下記データは10月26日付の各インデックス年初来パーフォーマンスとなります。

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この驚異的な回復をご覧ください。インデックスでこれだけの数字ですから成績の良いファンドには200%近いものもあります。ちなみに日経225インデックスは14.2%です。

しかし、インデックスを見ても不動産関連の回復は遅れていますのでチャンスありです。この図のMENAとは中近東と北アフリカ(Middle East North Africa)を指します。日本の不動産も不確定ながらも反転に転じアメリカの不動産販売も4か月連続で上昇との事です。この表は夫々の市場の不動産株インデックスですが底打ち感はありますが未だピークの半値近辺または半値以下です。エマージング不動産に特化したブティックファンドが出ていますのでポートフォリオの一角に加えるのも楽しみな選択肢です。

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エマージング不動産株ファンドにご興味のある方は詳細をレポート会員サイトに追ってアップしますのでご参照下さい。

CTAファンド

オルタナティブ投資の代表がCTA(商品)と呼ばれるコモディティー投資で日本ではマンインベストメンツ社のAHLが有名です。昨年30%以上のパーフォーマンスを上げ、株価に連動しない金融商品として日本での販売が上がっていますが、今年は不調です。昨年60%ものパーフォーマンスを上げたCTAで運用されるスイスのTファンドも、常に乱高下を繰り返しながら大きな運用成果を上げるIファンドも今イチぱっとしません。そんなIファンドのセールスマネージャー(Edward)が一昨日、私の事務所に訪ねて来ました。Edwardは今年初頭(2月頃)英国のファンドマネージャー(Brian)を連れて来日したのですが、その時に「今年はトレンドフォロー型のファンドは方向性を見つけるのが難しい」と予想していました。確かに上記3ファンド(A, T & I)は年初来10%前後のマイナスです。ポジションが変わった様で続々と上記3ファンドのマネージャーが今月から来月に掛けて説明の為に来日します。Edwardの説明に依ると、通常40%の取引をするのに今年は9月までに5%しか証拠金取引をしていないので大きな失敗もなければ大きな成功もしていないのだそうです。しかし10月は10%に引き上げ、徐々にマーケットと相談しながら引き上げて行くのだそうです。下記は2009年6月末データの過去3年間のパーフォーマンス、ベスト5とワースト5です。top_bottom_amt.jpgベスト1は99年9月の+846.73%です。つまり逆算して97年9月に投資した人の利益は99年9月時点で846.73%であったという事です。ワースト1は2002年3月です。つまり1999年3月に投資した人の2002年3月時点の損失が▼38.39%だという事でワースト5にリーマンショック以降、本日までの日付が入っていない事が注目事項です。ちなみに2009年10月1日時点の年初来パーフォーマンスは▼11.07%、2008年1年間のパーフォーマンスは+14.95%でした。同年3月に大きく落ち込み▼32.49%の時には沢山の買い注文が殺到したと聞いています。騰落率の大きなファンドですから初心者は辞めた方が無難です。

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