絵画ファンド・金塊ファンド

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今日はCastlestone Managementのアジア担当マネージャーのGiles Boereeが私の臨海副都心サロン(豊洲)に訪ねて来てくれました。彼は香港に住んでいますが中々のイケメンです。英国人の中でも突出した綺麗なQueen’s Englishを話します。新しく一般投資家向けに販売開始した絵画ファンドのプリゼンが訪問目的です。アーティストのリストを見ると最新の購入はAndy WarholのGun(銃)でした。他にはピカソ、マチス、ムーア、カルデ、フォンタナ、リヒテンシュタイン、ポロック、Jジョーンズ、Fビーコンなどのモダンアートの巨匠の名前が並びます。サザビーの元メンバーがこのファンドのスタッフとして加わり、割安感があり且つ将来性のあるアートを選別してオークションで競り落とすのだそうです。この分野のアートが好きな人には垂涎のアイテムですが今の時期に販売するのは難しいのではないかと思うのです。Gilesは8年は保有して貰い、市場が回復した時に利益を収めてほしいのだそうです。元々この会社とコンタクトを取るようになったのは数年前にこの会社の金塊ファンドを面白いと思ったからです。当時は香港に販社はなくNew Yorkのアパートメントの住所でした。オーナーのAngus Murrayと当時の在NYのマネージャーの二人だけでした。ちなみに現在のNYオフィスは5番街のRockfeller Centerにあり、通りの向かい側にはTiffanyやSak’s Fifth Avenueなど有名店があります。三菱地所が買い丸の内の地主さんがNYの地主?と話題になりましたが既に売却されています。金価格は1オンス400ドル位でした。2005年には年末までに700ドルを付け、円ドルレートは年初102円から年末115円前後まで珍しく円安になりましたので円からドル転して投資された方は1年で約2倍になったのです。(往々にして、金が値上がりする時にはドル安ですから円高となり円からの投資では充分な利益を享受出来ないのです。)その後1000ドルを付け、売られて下げ乱高下を繰り返しています。ヘッジファンドが大量に売り買いをしますのでもはや金は安定した投資対象ではなく、時として投機対象なのです。しかし、景気浮揚策として各国が市場に金(マネー)を放出して居ますので安定してくればインフレは来ると思います。先ほどのNY金価格は確か930ドル近辺だったと思います。値頃感のある時に金、又は金ファンドや金ETF、金塊、金コイン等を買うのはやはり資産保全に繋がるのではないでしょうか。

G20 (Tax Haven)

景気後退を受けてG20では各国の税収と市場への資金投入について協議された。税収アップの一環としてタックスへイブンの規制について関心が集まりました。そして①白、②グレー(真白でないものを含む)と③ブラックにランク分けされ発表されました。主なタックスヘイブンの国(自治体)名は ①キプロス、ガーンジー島、アイルランド、マン島、ジャージー島、モーリシャス島、セイシェル。 ②クック諸島、ジブラルタル、リヒテンシュタイン、モナコ、ナウル、パナマ、サモア、バヌアツ、etc. そして②のその他として:オーストリア、ベルギー、ブルネイ、ルクセンブルグ、シンガポール、スイス、etc. ③コスタリカ、マレーシア(ラブアン)、フィリピン、ウルグアイが挙げられています。私達に一番近くて馴染みの深い香港がどこにも見当たらなかったのですが、これは①に中国の国名がありましたので中国の一部としてリストされているものと思われます。主だった先進国は皆、①です。

これからお伝えするプライベートバンク情報はオフショア金融機関から提供された情報を元に伝え聞いた範ちゅうですので或いは事実と若干の相違があるかもしれませんが関係者の間で語られている事です。昨年、プライベートバンクのLGT銀行の顧客情報をドイツ税務当局に460万ユーロで売って国外亡命したとされるハインリッヒ・キーバー(Heinrich Kieber)の話が話題になりました。キーバーは王室の経営する老舗プライベートバンク・LGTの顧客情報をデータベース化する任務にありましたが不動産不正取引で起訴されてしまったのを機にDVD3枚にデータをコピーし持ち去り司法取引したのです。一世一代のドラマを演じて見事大金を手中に収めリッチマンとして悠々自適な人生を送るのです。核を持っているから手を拱いている日朝問題を連想させます。

またスイスの最大手銀行UBSは米国人の脱税幇助をしたとしてプライベートバンク部門を統括していた最高幹部のラウル・ワイル(Rapul Weil)が脱税の共謀犯として起訴されたのです。頻繁に渡米していたラウルはスイスに帰国しており出頭命令に応じなかった為、翌年1月に逃亡犯として指名手配されました。スイス銀行法では職務上知り得た秘密を漏らした者に対し、懲役刑を含む刑事罰を科すと定めており、スイスの金融機関はいかなる場合にも第三者に情報開示する事はないとされていました。板挟みになったUBSは米国人顧客に窮状を伝え、速やかに口座を閉鎖し資金を移動するよう手紙を書きました。その上で米国のIRS(米国国税庁)に共謀を認め7億8000万ドルを支払い更に米国人顧客情報ををIRSに提供したのです。適正に納税されていない米国人口座が約47000件に上ったそうです。

日本や多くの国では属地主義と言い、非居住者には原則として納税義務はありません。しかし米国では属人主義と言い、アメリカ市民である以上世界のどこに居ようと1万ドル以上の資産はIRSに報告義務があり、利子、配当、譲渡所得を申告納税しなくてはなりません。租税回避はいまや巨大ビジネスで、米国上院調査委員会はこれにより毎年700億ドル近くの損失が国庫に生じていると推定されています。

巨額詐欺事件(NY)

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【ニューヨーク14日時事】巨額詐欺で訴追された米証券界の実力者、バーナード・マードフ容疑者が運用する金融商品を、野村ホールディングスが投資家に販売していたことが分かった。野村は、関連するエクスポージャー(リスク資産)は275億円相当あるが、自己資本に比べその影響は「限定的」と説明している。
 野村は、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題で巨額の評価損を計上したばかり。詐欺事件でも損失を計上する可能性が出てきたことで、同社の運用管理体制が改めて問われる可能性がありそうだ。
 元ナスダック・ストック・マーケットの会長だったマードフ容疑者は、運用で発生した巨額損失を投資家から集めた資金でひそかに穴埋めし、500億ドル(約4兆5000億円)を超える損失を与えた疑いが持たれており、11日に起訴された。被害総額は詐欺事件としては米史上最大とみられている。                                          

Bloomberg.comにも詳細記事が掲載されています。

Dec. 12 (Bloomberg) — European firms Union Bancaire Privee, Bramdean Alternatives Ltd. and Pioneer Alternative Investments were clients of funds invested with Bernard Madoff, who allegedly confessed to running “a giant Ponzi scheme.”

12月16日日経新聞朝刊によりますと、米ナスダック株式市場の元会長、バーナード・マドフ容疑者が関与していたとされるヘッジファンド詐欺事件の被害が広がっています。欧州の大手金融機関のほか、日本の野村ホールディングスや韓国の生命保険も損失を被る可能性が出て来ました。スペイン最大手銀行サンタデールや仏大手銀行BNPパリバ、英国大手銀行HSBC、RBS(Royal Bank of Scotland)、仏ナティクシス、伊ウニクレディト、スペインのNNVAの他、英大手ヘッジファンド会社のマン・グループも投資していたと報道されています。

この詐欺事件は「ねずみ講」に似ているそうです。運用らしい運用もしていなく、新しい投資家から資金を募り配当に回していたそうです。日本にも似たような海外ファンドがあった様ですが私の知る限り、豪かなオフィスと接待、大手銀行出身など輝かしい経歴の代表者でした。騙す方も騙す方ですが騙される方もどうなのでしょう。マスコミはマードフ氏の知名度が資金集めに貢献したと報じています。名前があると楽なビジネスが出来るのかと羨ましくも思えます。日本でも野村H以外にも日本興亜損保、三井住友海上など生損保数社が投資ファンドを通じて残高があると報じています。金融市場が正常に機能していれば埋もれていて発覚しなかったのかもしれませんが危機を迎えて隠しきれなくなったのでしょう。「プロならちゃんと調べてよ」と言いたいところです。

第44代アメリカ合衆国大統領

obama.jpg アメリカ合衆国第44代大統領が何とアメリカ史上初めての黒人であるバラク・オバマ氏に決まりました。防弾ガラスに囲まれての勝利宣言の演説では奴隷解放をした有名なリンカーン元大統領のゲティスバーグ演説が引用されました。 government of the people, by the people, for the peopleは「人民の、人民による、人民のための政治」のフレーズは、教科書にも載り、貨幣にもプリントされたリンカーンの代名詞とも言える有名な演説です。そして“we are united, we are the United States of America”「我々がアメリカ合衆国だ」と唱えたオバマ氏のスピーチはとても魅力的で感動的なものでした。演説に涙している聴衆が多かったのも印象的でした。この事からもアメリカ国民が変革(チェンジ)を求めているのが分かります。オバマ氏の父親はケニアからの留学生であったと聞きます。その留学生とアメリカ人の白人女性との間に生まれたのがバラク・オバマ氏だったのです。私は助手席に大学生の息子を乗せて車を運転しながらこのスピーチを聞きましたが、息子は「まだ若いんじゃないの?」 私:「47歳かな?でもJFケネディーはもっと若かったのよ。」、息子:「スッゲーな。年寄バッカが総理の日本じゃ考えられねーよ」と、呟いていました。 アメリカにはブラッドリー効果と言う表面上では人種差別をしない振りをして内心黒人を認めない人が多いからいくら黒人候補のオバマが事前に有利と言われても蓋を開けるまで分からないと言われて来ました。でも、アメリカの民主主義は生きていたのです。投票率の高さも驚異的でした。100日後に正式就任する訳ですがケネディー家の悲劇がオバマ氏に起きないよう見守って行きたいものです。そして強いリーダーシップでこの金融危機を乗り切り、世界を牽引して貰いたいと思います。そして日本もいつの日か、国民投票によって総理大臣が決まる真の民主主義の日が来ればいいと思いました。

AIGの凋落

高い信用格付けを誇る世界最大の保険会社が何故このような窮地に陥ったのか不思議に思う人は少なくないのではないでしょうか?今のAIGの混乱の原因は中核となる保険事業とは異なる多角化事業でした。AIGFP(AIG Financial Products)はAIGの高い格付けをバックに膨大なデリバティブ取引を行っていたのです。AIGFPは1990年代に急拡大し、CDOという企業のデフォルト(債務不履行)に保険を掛ける商品や住宅ローン、消費者金融に手を広げていったのです。これらの多角化事業はその後長きに亘り大きな収益を上げて来ました。CDOと呼ばれる債務担保証券に保険を掛ける事業の取引こそが過去数ヶ月で410億ドルもの評価損計上に追い込まれた最大の要因でした。これを国が救済しないと世界の金融が消費者が大きなダメージを受ける事になるのです。850億ドルをNew York連邦準備銀行より借入しました。AIGは最近までCDOのデフォルトに対する保険商品が損失を産むリスクは極めて低いと考えていました。サブプライムローン破綻から金融機関が破綻し、成す術も無く世界の王者は奈落の底に落ちて行きました。利益追求する余り多角化をし、それが裏目に出てしまったのです。企業はやはり本業に精を出すべきだという教訓になってしまいました。

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